兵庫県丹波市に本社工場を構える日本で唯一の国産自転車タイヤメーカー『パナレーサー』から8月1日に新生
フラッグシップモデルである『AGILEST FAST』が発売されました。
この記事では、自転車業界で働く筆者の視点から「AGILEST FAST』とはどういったタイヤなのか?
2022年に発売されたAGILESTシリーズとの違いは何か?という点について紹介させていただきます。

【AGILEST FAST】とは
2022年の発売後、全世界で10万本以上の販売本数を記録しているパナレーサーのフラッグシップモデル『AGILEST』
シリーズの最上位モデルにして、パナレーサー史上最速を目指して作られた新生フラッグシップモデル。
公式から発表されている主な特徴は下記となります。
“各マテリアルのポテンシャルを最⼤限まで引き出した新開発「Fマテリアル」(コンパウンド:ZSG AGILE-F COMPOUND、ケーシング:AGILE-F CASING、耐パンクベルト:AGILE-F BELT)を採⽤。
これまでのロードバイクの常識では、転がり抵抗の低減とグリップ⼒向上の両⽴は不可能と考えられていたが、
「Fマテリアル」の開発により転がりの軽さと⾼いグリップ⼒の両⽴に成功。
その結果、パナレーサー史上最⼩の転がり抵抗を実現する 、『AGILEST FAST』が誕⽣しました。“
あくまでもパナレーサーの社内試験結果となりますが、前作の「AGILEST」に比べ転がり抵抗値は20%削減、
過去のハイパフォーマンスモデル「RACE A EVO4」から比べると45%削減とハイパフォーマンスを求める
ライダーが求める高次元の走りを実現する“新⽣プレミアム・フラッグシップモデル”となっています。

『AGILEST FAST』 実走後の感想

筆者自身もAGILEST FAST(700×25C)を装着して100㎏程試走した中で感じた点を端的にお伝えしたいと思います。
良い点
・カタログスペック230gとタイヤ自体は軽くない為、漕ぎ出しの軽さという部分では感じなかった。但し、走り出すと一気にスピードに乗る為、ロードレースやヒルクライムレースで使うのに最も適したタイヤであると感じた。
・軽すぎないという点から来るのか、グリップの感じもよく、しっかり地面を踏んでいる感覚があった。
・圧倒的な軽さを売りしている『AGILEST LIGHT』(カタログスペック:170g)と違い、振動なども少なく乗り心地も悪くない。
悪い点
・スタート直後の漕ぎ出しが重い点。
・パナレーサーのタイヤに共通して言えることだが、コンパウンドがねっとりしている為、砂利がタイヤに付着している事が多い。耐パンクベルトは備わっているが、耐パンク能力について未知数な部分もあり。
新開発【Fマテリアル】とは?

パナレーサーが独自で開発したタイヤの材質や特徴となります。詳細は下記にて確認ください。

※素材の表⾯処理にエレクトロンビーム(電⼦線)照射を⾏っています。
今回初めてエレクトロンビームを行ったことで、耐熱性・強度等についても飛躍的に向上しています。
終わりに
パナレーサーから発売された“新生フラッグシップモデル『AGILEST FAST』のレビューをさせていただきました。
現在のロードバイク界隈ではコンチネンタルの『GRAND PRIX 5000』がタイヤ市場を席捲していますが、
年々価格が上がってきている等、一般消費者には手の届きにくい商品になってきていることも有り、
1万を切る『AGILEST FAST』への注目度は今後益々増えてくるように感じます。
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