ロードバイクに乗って走っていると、だんだん舗装路だけでなく砂利道やオフロードも走ってみたいという気持ちになることがあると思います。
グラベルロードとは、舗装路だけでなく砂利道やオフロードも走れる自転車のことを指します。
オンロードでは通常通りスピードに乗って風を感じ、林道や河川敷では自然の匂いを感じる、自転車で走る楽しみを1台で格段に広げてくれるところがグラベルロードの魅力です。
この記事ではグラベルロードの特徴や選び方、グラベルロードバイク生産メーカーについて紹介していきます。
グラベルロードの特徴
グラベルロードは砂利道やオフロードなどの未舗装路も走れるドロップハンドルのスポーツバイクのことで、通常のロードバイクとは異なり、オンロードもオフロードも走りやすく、道の状態を選ばずにどこまでも走っていけることが最大の特徴となります。
リアキャリアをつけてバックパックを積んだり、たくさんの荷物を運ぶこともできるので、自転車旅やキャンプで自転車を利用する際におすすめです。
グラベルロードの特徴と値段帯|タイヤ・ブレーキ・ハンドル幅
グラベルロードのタイヤ・ブレーキ・ハンドルの特徴は以下となります。
- 太めのタイヤ
- 効きの良いディスクブレーキ
- 幅広のドロップハンドル

<太めのタイヤが良い理由>
グラベルロード用のタイヤはロードバイクよりも幅が太めのモデルが多いです。
理由としては、幅の広いタイヤほど地面との接地面が増えるため安定感が増し、この太さが砂利道や未舗装路のデコボコ道、大きな荷物を載せた走行でも安定して走れる為です。
<効きのいいディスクブレーキが良い理由>
グラベルロードでは、制動力の高いディスクブレーキを採用しているモデルが多いです。
ディスクブレーキは路面が濡れていてもしっかり止まれるブレーキで、ロードバイクやマウンテンバイクにもよく使われています。
リムブレーキに対し砂利や泥が詰まりにくいことも未舗装路を走るグラベルロードに適している点です。
<幅広のドロップハンドルが良い理由>
グラベルロードのハンドルはロードバイクより横幅が広く作られています。
理由としては、未舗装路のガタガタ道でもしっかりハンドルを抑えてバランスが取りやすいようにするためです。
肩幅より少し広いくらいの大きさがあります。
グラベルロードバイクの車体費用相場
グラベルロードの車体費用は、幅が広く10~50万円で販売されている事が多いです。
入門用の安いモデルであれば10万円程で購入できますが、フレームの素材や使用しているコンポーネントのグレードによって値段に違いがあります。
スポーツ用バイクとグラベルロードバイクの違いとは
グラベルロードは、オンロード・オフロードどちらの走行も得意とする『オールロード』というカテゴリのスポーツバイクになります。
同様のカテゴリにはシクロクロスとアドベンチャーロードというスポーツバイクが属しますが、ここでは同じオールロードの自転車とグラベルロードの違いを解説していきます。
<グラベルロードバイクとシクロクロスバイクの違い>
シクロクロスとは、オフロードを舞台にした自転車競技のことです。
シクロクロスバイクとグラベルロードバイクの違いは「競技用か競技用ではないか」です。
シクロクロスバイクは競技用の自転車のため規格に規定がありますが、グラベルロードバイクには規定がありません。
そのためグラベルロードバイクは規則に縛られない自由なデザインの車体が各メーカーから販売されています。
またシクロクロスバイクは、競技上自転車を担ぐこともあるため軽さが重視されますが、長距離走行や荷物を積むことがあるグラベルロードバイクでは軽さよりも安定感を重視して作られています。
<グラベルロードバイクとアドベンチャーロードバイクの違い>
アドベンチャーロードバイクとグラベルロードバイクの間には厳密な違いや定義はありませんが、アドベンチャーロードの方が、より多く荷物を載せたり、長距離・長期間のツーリングが可能となるように拡張性が高い作りをしていることが多いです。
長距離の自転車旅等を検討している方については、グラベルロードバイクだけでなくアドベンチャーロードバイクも検討してみるのもいいかもしれません。
<グラベルロードバイクとロードバイクの違い>
グラベルロードバイクと通常のロードバイクでは使用目的や特徴に違いはありますが、明確な答えはありません。
自転車メーカーや使用者によって境界線は曖昧です。(通常のロードバイクでもグラベル用の太めのタイヤを使えば、オフロードも走れる為。)
グラベルロードバイクはロードバイクの種類というよりも、「グラベル」というオフロードもオンロードも得意な自転車カテゴリの中でドロップハンドルを採用した自転車を指すことが多いです。
グラベルロード選びのポイント|タイヤ幅・フレーム素材・ブレーキ

グラベルロードバイクを選ぶうえでお気に入りのデザインを選ぶことも大切です。
機能性抜群のグラベルロードを求めるなら、ぜひ次の5つに注目してみてください。
・タイヤの幅
・フレームの素材
・ブレーキの種類
・ホイールの固定方法
・拡張性の高さ
<タイヤの幅>
タイヤの太さは安定感とスピードの出しやすさに関係します。
グラベルロードには28c~47cの太さのモデルが多く、細いほど加速しやすく太いほど安定感が増します。
主な使用目的が自転車旅やキャンプなどで荷物を積んで出かけるなら40c前後の太めのタイヤ、道の状態に気を使わずツーリングを楽しみたいなら30c前後の細めのタイヤがおすすめです。
細めのタイヤ | 太めのタイヤ |
30C前後 | 40C前後 |
加速性能が高い | 安定感がある |
<フレーム素材>
グラベルロードバイクのフレームに使われる主な素材はカーボン、クロモリ、アルミの3つです。
値段で言えばアルミフレームが一番安価で10万円程で購入できる入門機はアルミフレームの物が多いです。
少し高価にはなりますが、クロモリフレームはよくしなる素材の為、路面からの衝撃を緩和し載せた荷物の荷重にもよく耐えます。
しっかりメンテナンスすれば数十年は使える素材なので、個人的にはグラベルロードのフレームにはクロモリが良いと感じます。
フレーム素材 | メリット | デメリット | 対象となる方 |
アルミ | ・安い ・軽量 ・サビに強い | ・経年劣化により、 数年で剛性が弱くなる | ・出来るだけ安く購入したい ・自分でメンテナンスをする自信がない |
クロモリ | ・振動吸収性が高い ・耐久性が高い | ・錆びやすく、他2種に比べ重い | ・長距離移動や自転車旅をしたい ・自分でメンテナンスして長く乗り続けたい |
カーボン | ・高い ・振動吸収性が高い ・軽量 | ・価格が高く、耐久性に難有り | ・ロードと同じように 軽快な走りを楽しみたい ・高くでもこだわりの一台に乗りたい |

<ブレーキの種類>
大半のグラベルロードバイクにはディスクブレーキが採用されており、その中でも油圧式と機械式(ワイヤー式)の2種類があります。
グラベルロードでは、油圧式ブレーキが採用されていることが多いですが、入門機などの安価な車体では機械式のブレーキが採用されていることが多いです。
油圧式 | 機械式 |
・軽い力で握れる ・メンテナンス不要 | ・一般的なシティサイクルにも採用されている ・ワイヤーが切れる可能性有り |
<ホイールの固定方法>
メンテナンスのしやすさを考慮するなら、ホイールがクイックリリース式で固定されている車種を選びましょう。
ホイールの固定方法にはクイックリリース式、スルーアクスル式の2通りがあります。
・クイックリリース式・・・工具無しでタイヤ(ホイール)を取り外せる。
・スルーアクスル式・・・ディスクブレーキ搭載車に多く、剛性や固定力が高い。 ロードバイクやMTBに多い。
グラベルロードでは、未舗装路を走ることが多くなる為、泥づまりや拭き取りなど念入りにメンテナンスすることが必要となります。
付け外しに工具がいらないクイックリリース式なら手間がかからない為、メンテナンスしやすいグラベルバイクを求めるのであれば、クイックリリース式でホイールが固定されている車種を探してみてください。
<拡張性の高さ>
長距離のツーリングやキャンプで使用するなら、拡張性が高いことも大切です。
拡張性が高いとボトルゲージやキャリアを多く取り付けられ、積載量が多くなります。
車体にあるダボ穴(ネジを止める穴)の数が多いほど拡張性が高いと言えるので、荷物を沢山載せる人は確認してみてください。
グラベルロードバイクの人気メーカー
TREK(トレック)
TREK(トレック)は “BEST IN CLASS”(同じ価格帯の製品の中で最高のものを提供する)というコンセプトのもとスポーツ自転車を生産しています。
航空宇宙産業のテクノロジーも採用する高い開発技術と、購入者が安心安全に自転車に乗り続けることができるフレームの『生涯保証』で、常に業界のトップを走り続けてきました。

SCOTT(スコット)
スコット(SCOTT)は世界一厳しい検査基準を持つと言われているドイツの検査機関「EFBe」の検査基準に合格した自転車のみを販売しています。
エアロハンドルバー、フルサスペンションバイク、1㎏を切るフレームを最初に開発するなど、常に市場に革新的な製品をもたらしてきたメーカーです。

Bianchi(ビアンキ)
ビアンキ(Bianchi)は、現在創業130年を超えている最古の名門自転車メーカーです。ロードバイク初心者から上級者まで、世界中で幅広いユーザーに受け入れられています。

GIANT(ジャイアント)
GIANT(ジャイアント)は世界一の自転車生産台数を誇り、日本の街中でもよく見かける自転車メーカーのひとつです。質は良く価格は安いというコストパフォーマンスの高さに定評のあります。

FUJI(フジ)
100年以上前に日本で創立され、アメリカのロードレースが人気を高めた1970年台にアメリカ進出を果たしました。アドベンチャーロードの「JARI」シリーズが人気です。

CANNONDALE(キャノンデール)
CANNONDALE(キャノンデール)は「カーボンキラー」と称される程、高性能のアルミフレームを作り出す技術力の高い自転車メーカーです。

SPECIALIZED(スペシャライズド)
SPECIALIZED(スペシャライズド)は、「Innovate or Die”(革新を、さもなくば死を)」をスローガンに掲げる総合自転車メーカーです。
グラベルロードの種類、カラーバリエーションが豊富にあり、目的に応じて幅広い値段帯から選べることが魅力です。

MARIN(マリン)
MARIN(マリン)は、「デザイン性に優れ、軽量で、長く乗れるバイクを作る」というコンセプトのもと自転車を生産しているロードバイクメーカーです。
1台1台の性能を保つために、大量生産は行なっていません。

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